思い出の日記~忘れかけていたもの~
昨日、久しぶりにときめきを感じた。
私は、かおり。二年前に学校の先生と結婚して、幸せいっぱい!
な、はずだけど・・・・
「かおり!ご飯は?」
こちらが、夫の夢人。
「レンジでチンして!私、忙しいの!」
「お前、忙しいたって、たいしたことないだろう。
バーゲンがあるだけで・・・・」
「バーゲンがあるだけで?なんですか?その先は?」
「いえ、なんでも」
「あと、今日は帰り午後になるから」
「えー!男か?」
「バカね。そんな暇はありません。」
「そういえば、昨日洋翔にあったよ。」
「えっ!?洋翔先生?」
「うん。元気そうだった。」
「そう・・・・」
「お前があげたマフラー、大事につけてたよ。」
「マフラー・・・・・」
そう、私は在学中に洋翔先生にマフラーをあげた。
一生懸命編んだ、青のマフラー。
・・・・・・あ!そういえば!
「夢人。洋翔先生はどこに住んでるかわかる?」
「隣。」
「隣!?早く言ってよ。ご挨拶行かなきゃ!」
「好きになるなよ。お前には俺がいるんだから。」
「はいはい。」
ピンポーン!
「ふぁ~い・・・・ってかおり?」
眠そうな洋翔先生が顔を出した。
髪の毛も寝癖がついていて・・・・・
「先生、朝からごめんなさい。お久しぶりです。
私、隣に住んでます。」
「びっくりした・・・・・
上がっていいよ。」
「でも、奥さんは?」
「あー、結婚してないんだ、俺。」
「は?先生もう30過ぎでしょ?早くいい人見つけなきゃ!」
「じゃ、お前にする。」
「やめてよ。私は夢人と結婚したのよ。」
「冗談だよ。ソファーでゆっくりしてなよ。
今、お茶淹れるから。」
「おかまいなく・・・・」
ふっと周りを見ると、本棚のところに写真があった。
体育祭の時に撮ってもらった、私と洋翔の2ショット写真があった。
見ていたら、涙が出てきた・・・・
「お待たせ・・・どうしたの?」
「ううん。懐かしいなと思って。」
「そうだね。懐かしいね・・・・
あの時も可愛かったけど、今はもっと魅力が増したよ。」
「もう!やだ!嬉しい!」
「今度、いつ予定あいてる?」
「あら?デートに誘おうっての?
来週はあいてる。」
「一週間?」
「うん。」
「じゃあ、旅行だな!」
「えー!夢人に怒られる。」
「大丈夫。俺からうまく言っておくから。」
「・・・・・大好き。」
「お!?いいのかい、そんなこと言っちゃって。」
「久しぶりに楽しい時間を過ごしているみたいで・・・」
「みたい、じゃなくて過ごしてるんだろ?」
「はいはい。」
「あっ!もうお昼。何か食べてく?」
「ううん。私、これからバーゲンがあるから行ってくる。」
「なーんだ。じゃ、また来いよ。」
「隣ですものね・・・・」
「そうだよ。」
「じゃあ、今日の夜ご飯オムライスがいい!」
「旦那はどうするの?」
「うーん・・・・どうする?」
「どうするって、一緒に食べれば?」
「そうね。じゃあ、またあとで。」
「おう。気を付けてな。」
「はーい。」