帰ってきたloveStory

私は、安沢夢。三年前に高校を卒業してから喫茶「メモリーズ」で働いている。

ここ、最近は男性とも付き合わなくなって、ただただ暇な毎日を過ごしている。

少し前までは、三人の男性と一緒に暮らしていた。(ほかにも、同じ女性の方が三名ほど)

なぜ、そうなっていたのかと言うと、長くなるけど

まぁ、私が美しすぎたんだろうねぇ(笑)

三人の男性の名前を一人ずつ上げていこうかな?

山田勇吹(やまだ いぶき)

・山泉洋翔(やまいずみ ひろと)

・久川充明(ひさかわ みつあき)

それから・・・女性の方々は

・渡辺舞美(わたなべ まみ)

・金福美詞(かねふく みのり)

・山辻瑞穂(やまつじ みずほ)

懐かしい・・・・

思えば、騒がしい毎日だったけどそれが楽しかったなぁ・・・

キスをいろんな男にされたり、瑞穂さんは倒れるわ

美詞さんは、けっこうブラックだったし・・・・

あ、そうそう!

勇吹と洋翔と充明は学校の先生だったんだ!

やばい恋愛をしてきたと思うよ(笑)

でも、立場とか恋愛において関係ないと思う。

結局、なんで皆と離れたかは

よく覚えてないけど、私のわがままだったの

でも、美詞さんが

「辛くなったらいつでも、帰っておいで!」

って言ってくれた時は、ひっくり返るぐらいびっくりしたけど

とても嬉しかった。

だけど、やっぱり美詞さんよね・・・

そのあとに

「仕事はたっぷりあるからね」

ってにやにやしてたから、恐ろしい・・・・

やば!

思い出を懐かしんでいたら、もう開店の時間!

間に合わない!

~喫茶「メモリーズ」~

私は裏口からそっと入った。

がちゃ・・・・

「夢ちゃん!また遅刻?」

声をかけてきたのは、先輩の香奈枝さんだった。

すごく頭がよくて、性格も穏やかで面倒見が良く

皆に慕われている。

「すみません・・・」

「まったく!今日は新人さんが来るんだからしっかりしてよ!」

「頑張りまーす!」

「早く着替えて!」

--------------------------------------------------

「えー皆さん!おはようございます。今日は、新しい方をお迎えしておりますので紹介します」

(この時期に?誰だろう?)

「この春、教職員を辞め、こちらにいらした

山泉洋翔さんです。」

(はぁ?)

「皆さん、初めまして。山泉洋翔です。

接客の仕事に携わるのは高校のバイト以来なので

分からないことだらけですが僕のキラキラスマイルで

お客様を幸せにしたいと思いますので、よろしくお願いします。」

パチパチパチパチ!!

(ここは、ホステスか何かかよ!)

「素敵な方ですよね!えっと・・・担当は」

(どうか、当たりませんように・・・・)

「じゃあ、夢ちゃんで!」

「?」

「どうしたの?夢ちゃん?」

「いえ・・・私は耳がおかしくなったのか

今、洋翔さんの担当が私って聞こえたのですが・・・」

「そうよ!よろしくね!」

「私、まだ三年目なのですが」

「大丈夫よ!遅刻や忘れ物はあるけど

仕事はできるんだから!」

「それ、ほめてますか?」

「冗談よ!大丈夫!自信もって!」

「はい・・・」

「夢、よろしくね💛」

「なんで、急に呼び捨てなの?」

「いいじゃん、別に。

それと、久々に会ったんだから

もっと嬉しい顔してよ!」

「洋翔とは、もう会うことないと思っていたから!」

「あー、冷たーい!」

「かわい子ぶってもダメ!仕事ができなきゃ、すぐ出て行ってもらうから!」

「そんなこと、言わないで。大好きだよ!」

耳元で洋翔がささやいた。

「ちょっと、今仕事中!」

「夜、ご飯いかない?」

洋翔は、私の腕を掴んだまま言った。 

「わかったよ!洋食ね!お金は、洋翔が払ってね!」

「はいよ!」

そういうと、洋翔は持ち場についた。

私は昔から、言い寄られると断れないタイプ。

しかも、相手が洋翔じゃかなわない・・・・

夜が不安だわ・・・・(笑)

大好きだから

久々に思い出した・・・

あなたを好きになった気持ち

夢の中であなたが出てきて

改めて思ったの・・・

どんなにいろいろな恋愛をしていても

心の中ではあなたのことをまだ、諦めていなくて

まだ好きなんだなぁって

ごめんなさいね

これを言うと、あなたを苦しめることは分かっているの

だけど、やっぱり一緒になりたい

あなたが結婚してることは知ってる

奥さんと幸せなのも知ってる

だけど、ちょっとぐらい

私にだってその幸せを分けてくれてもいいんじゃない?

本当にちょっとでいいの

そこら辺でお茶飲んだりするだけでもいいの

付き合っていただけませんか?

忘れたはずの好きな人

そう・・・あれは、三年前

渋谷の街で、涙ながらに別れた彼。

あれから、いろんな恋をして

忘れてきたつもりだった。

だけど、この街に来た時

あの人が横切った

そんな気がして・・・

忘れたくはなかったの

ただ、あの時はそうすることしかなかった

あなたを苦しめたくなくて

今更、こんな事言っても

言い訳にしか聞こえないでしょうけど

ごめんなさいね

この街に来て、あなたのことも

あなたが大好きだってことも

全部思い出しちゃった・・・

ひとりの季節

どうして、あの時あなたを止めなかったのかしら

どうして、あの時涙を流し続けたのかしら

誰に聞いても分からない

そこらの猫にさえ、明日のことは分からないのに

答えを探せば探すほど

見たくないものも見えてくる

あなたの笑顔もかすんでしまって

見たいのに見えない

けれど、

 

*心にはいつも

昔と変わらないあなたがいるから

前を向ける、笑っていられる

何度目の春だろうか?

あなたが隣にいなくなってから

 

どうして、あの時ひとりで家出をしたのかしら

どうして、あの時一人でバスに乗ってたのかしら

誰に聞いても分からない

そこらの風さえも、気まぐれすぎているのに

あなたを追えば追うほど

忘れた痛みも増えてくる

あなたの優しさもどこかに消えゆく

追いたいのに追えない

けれど、

 

*くり返し

 

自殺

彼女は自殺した。

あれから、10年経った今でも彼女が自殺した理由は分からない。

彼女は、真面目で優しい性格の持ち主であった。

その、真面目さゆえか、疲れてしまうことが多々あった。

でも、「辛い」とか「嫌だ」という

弱音は、彼女からは死ぬ間際まで聞いたことが無かった。

たった、一回だけ

彼女から弱音のメールが来た時は、驚いた。

「ねぇ・・・・

私ね、疲れちゃったみたいで、人生つまらなく感じるの。

別に、人間関係とかで困ってる事はないんだけど

自分に嫌気がさして・・・

ごめんね・・・

こんな真夜中に・・・・

おやすみ

私も、素敵な夢の世界に行ってくる(笑)」

次の日、彼女は自殺した・・・

俺は、ただ空を見つめることしかできなかった。

あの時、俺がなにか声をかけてあげられたら・・・

なんて過ぎたことを悔やむ毎日だった。

自分に嫌気がさして・・・

なんて、彼女らしくなかった

自分を大切にできる子だったはずなのに。

なにが、彼女を追い詰めたのか?

この俺か?

それとも、社会?

それとも・・・

彼女の中にあった「完璧主義」という

考えだったか?

これ以上、深く考えることは

彼女自身は、望んでいないはず

でも、決してこの後悔や

晴れない気持ちは

 一生残るであろう

現実

そうそう、良いことなんか続くわけがない

自分に自信を持ち過ぎたせいか

最近、疲れたように感じる

高飛車・・・・

今の自分に、最も当てはまる言葉かもしれない

人に負けたくなくて、人に認められたくて

精一杯、努力し続けたのに

結局、力が発揮できなければ

「つもり」で終わってしまう

私の人生、すべて

「つもり」で片付けた人生だったかな?

嫌な事も乗り越えた「つもり」

実力がある「つもり」

人にやさしい「つもり」

「つもり」「つもり」「つもり」・・・

言い訳に聞こえる?

いいえ、これは本当のこと

だけど、分かってくれる人って少ないよね

私の、生きる場所はどこにあるんだろう?

私を包んでくれる温かい所はどこだろう?

自分に自信を持つのやめようかな?

自分の弱い所は知ってる「つもり」

最後の最後まで「つもり」

真夜中のライン

ある日の、夜中
ベッドで眠れず、悶々としていると、ラインの着信音が鳴った。
ピロリん♪
「?・・・誰からかな?」
スマホを開くと、大好きな彼からだった!
「まったく。こんな夜中に・・・」

「あかり❤
起きてる?」
バカらしくて、でもちょっとかわいく思えた。
「起きてるよ!
どうしたの?寂しくなったの?(笑)」
すぐに、既読がついた。
「うん。寂しくなった・・・
よくわかったね」
「小さい子供か!(笑)」
「あかりだけだよ。こんなに甘えるの」
「何人もの人にやってたら、怖いわ!」
「大好きだよ❤」
「今更、何よ!
昨日も、聞いたよ。
政史の愛の告白は。(笑)」
「そっか・・・お休み。
俺も、頑張ってひとりで寝る!」
「いい子、いい子!
私も、寝るね。おやすみ」
「また、あした!」
私は、スマホをわきに置くと、
深い眠りについた。