自殺
彼女は自殺した。
あれから、10年経った今でも彼女が自殺した理由は分からない。
彼女は、真面目で優しい性格の持ち主であった。
その、真面目さゆえか、疲れてしまうことが多々あった。
でも、「辛い」とか「嫌だ」という
弱音は、彼女からは死ぬ間際まで聞いたことが無かった。
たった、一回だけ
彼女から弱音のメールが来た時は、驚いた。
「ねぇ・・・・
私ね、疲れちゃったみたいで、人生つまらなく感じるの。
別に、人間関係とかで困ってる事はないんだけど
自分に嫌気がさして・・・
ごめんね・・・
こんな真夜中に・・・・
おやすみ
私も、素敵な夢の世界に行ってくる(笑)」
次の日、彼女は自殺した・・・
俺は、ただ空を見つめることしかできなかった。
あの時、俺がなにか声をかけてあげられたら・・・
なんて過ぎたことを悔やむ毎日だった。
自分に嫌気がさして・・・
なんて、彼女らしくなかった
自分を大切にできる子だったはずなのに。
なにが、彼女を追い詰めたのか?
この俺か?
それとも、社会?
それとも・・・
彼女の中にあった「完璧主義」という
考えだったか?
これ以上、深く考えることは
彼女自身は、望んでいないはず
でも、決してこの後悔や
晴れない気持ちは
一生残るであろう